東医(東洋医療)的な健康とは

東医(東洋医療)的には、自然との<調和>こそが、健康の基本と考えます。

宇宙の中で太陽系がバランスを保っているように、人間の細胞の中の分子や原子のレベルがバランスを保っていることも<自然の摂理>です。

たとえば、自然の中で、緑の匂い、音、風、などに触れたときに安らかな気持ちになります。

これは、生物としての人間であるわたしたちが、自然と<調和>したことのあらわれであり、この<調和>こそが、もっとも健康につながる不可欠な要素ということです。

古代中国の自然哲学「陰陽五行説」には、自然界に存在するあらゆる物質は<陰>または<陽>のどちらかに属し、<木><火><土><金><水>の5つの要素が宇宙を構成し、自然現象に関わるすべての物事の因果関係にあるとされています。

人においても、自然界におけるこの陰陽五行論に従い「木・火・土・金・水の5つの性質のバランスで体質や病因を判断する」、カラダ全体を調和へと導くことを治療することを、東医(東洋医療)的な基本概念としています。

医学の父と呼ばれるギリシャの医師ヒポクラテスは、紀元前5世紀の頃すでに、わたしたちのカラダの中には血液・黒胆汁・黄胆汁・粘液の4種類の体液が流れ、そのバランスが崩れたときに病気になるという「体液病理説」を説いています。

西洋医療的メカニズムでも、健康な状態は主に<ホルモンのバランス><自律神経のバランス><免疫系>の3つシステムが、<恒常性維持機構:ホメオスタシス>により調和が保たれていると考えています。

詳しくは<恒常性維持機構:ホメオスタシス>ページへ

大きな意味で、東洋・西洋の根本的な医療の概念として、自然に即し調和やバランスこそが、健康に影響を与えるということで共通するといえます。

つまり、わたしたちのカラダは、自然界のバランスに深く関わりを持ち、言い換えると自然に調和して生活することが、健康への近道だということです。

「陰陽五行説」については、少々専門的ではありますが<アルティメット自然医論>に不可欠なことなので、もう少し触れておきます。

自分の体質や特性(弱点など)を知ることは、ひいては病気の回避などにつながり、人生において健康において大いに助長となりえることを、東洋医療の陰陽論では、<あらゆる物事は陰と陽に対立し、相互に制約し合う>と説いています。

このように、わたしたち人間を含む自然界では、互いに対立・転化しながら調和し動き続けています。

これら陰陽の相互転化は、「物極めれば必ず反す」。

たとえば、わたしたちが病気=<陰>になり、高熱熱が極度に高くなると体力を消耗する(極の)状態になると、続いていた高熱から突然に体温が低下し<陽>が脱していくというものです。

わたしたちのカラダに備わっている<恒常性維持機構:ホメオスタシス>=本来の健康な状態に戻ろうとする機能にも共通します。

→詳しくは<恒常性維持機構(ホメオスタシス)>ページへ

このように、病気の過程で<陰>が転じて<陽>となるよう調整が行われ、わたしたちは自然に病気から回復する能力を有しています。

逆に、もともとは陰のタイプの人が健康を損ねたときには、熱に転化することで陽から陰に、または、陰が転化して陽になることもあります。

この陰陽のバランスを自然コントロールしているのが<自己治癒力>で、この自己治癒力を大きく発揮していく生き方のメソットが<アルティメット自然医論>です。

 

このように、東医(東洋医療)的な診断では、病気の原因からその発生、発展の過程のすべてを陰陽バランスの失調という観点でとらえます。

カラダの中の陰陽の気が調和していれば健康であり、陰陽の気が不調和になると病気になり、その病気の原因が、陰陽の失調もしくは過剰であるのですから、不調和となった陰陽の調整=治療ということです。

つまり、治療とは不足が原因とする症状(虚)ではそれを補い、逆に過剰な状態(実)である場合はそれを瀉すことを目的としています。

東医(東洋医療)的治療には、鍼治療・灸治療・生薬治療などを施し、カラダの不調となる陰陽のバランスを、本来の健康な状態に戻るよう調和に導きます。

あくまでも、自分自身のカラダの中で<自己治癒力>を促すことが東洋医療の基本的な概念です。

「五行説」では、木・火・土・金・水の5つの要素を分類し、お互いに支配関係をもち微妙なバランスを保つとされています。

支配関係の理論に、「相生(そうせい)」「相克(そうこく)」があります。

「相生」とは、相手に対し親子的な立場をあらわす流れ<木→火→土→金→水>。

これは、木→火(燃える)→(灰が)土を肥やす→土から金(鉱物)を生じ→鉱脈から水が湧き→水が木を生育するという、「親→子」の関係性をあらわしています。

「相克」とは、互いに相助け相反する関係<木→土→水→火→金>。

木は土(養分を吸収)を制し、土は水を制し(土手で氾濫を抑制)、水は火を制し(消火)、火は金を制し(金を溶かす)、金は木を制す(刃物で木を切る)という関係性をあらわしています。

この、「相生」「相克」の関係は、弱まった時や強まりすぎたときに互いに干渉し合うことで、五行のバランスの平衡を保つことに機能しています。

また、東医(東洋医療)的の考えには、五行説に人のカラダの生理や病理に応用し、「五臓五腑」=<肝><心><脾><肺><腎>の各臓器を中心に、西洋医学の臓器のほかに肝には自律神経、五腑には胆や五臓を補佐する器官が備わり、わたしたちのカラダを機能していると説いています。

 

【肝】肝臓のほか、自律神経精神的(ストレス)・気血の調整機能に関与

【心】心臓のほか、大脳精神活動(睡眠・思考など)・カラダ全体の調整に関与

【脾】消化器膵臓のほか、生命活動栄養エネルギーの調整に関与

【肺】呼吸器のほか、皮膚免疫機能水分代謝の調整に関与

【腎】腎臓(水分代謝)のほか、成長発育生殖副腎の機能に関与

 

たとえば、《腎・膀胱が良い状態で→肝・胆が健康でいると→心・小腸も良好である》という好循環に、逆に《肺・大腸に不調がある→肝・胆を害する→脾・胃を病む》という悪循環に流れます。

東医(東洋医療)的な現場では、これら5つの要素の相関関係において、人のタイプと症状を判断し診断や治療だけでなく、未病治・補完療法・食習慣・生活習慣・ストレスケアなどに応用されています。