薬で風邪が長引くって?

風邪薬が、風邪の治りを遅くするって、知っていましたか?

実は、常に忙しく緊張しているような生活をしている人は、なかなか風邪を引きません。

これは、風邪をひく原因である自律神経が関係しています。

通常、健康な状態であれば、風邪ウィルスはカラダの中で自然に処理されています。

これは血液中の白血球の中のマクロファージという細胞が細菌や異物を食べる(自食作用)が働いているからで、この白血球を支配しているのが自律神経です。

<恒常性維持機構:ホメオスタシス>のしくみによって、治癒系がうまく機能している状態では、程よくこの状態が保たれていて問題はありません。

→詳しくは<恒常性維持機構(ホメオスタシス)>ページへ

しかし、一旦このバランスが崩れたときに、カラダの免疫力が低下します。

例えば、忙しさがおさまり急に「ホッとしたとき」に風邪をひくことにつながります。

そこには、やはり自律神経のバランスが大いに関わっています。

→詳しくは<自律神経とは>ページへ

カラダのメカニズムで説明すると、

忙しくアクティブな状態では、自律神経の<交感神経>が優位な状態です。

しかし、その緊張状態が一変して、ホッとしてラクになったとたん、体内で抑えられていたウィルスが暴れだし、ウィルスや抗原を処理するリンパ球が戦いがおこります。

この戦いが、風邪による症状「発熱」をもたらします。

このように、わたしたちのカラダは、過労やストレス(肉体的・精神的)があると、交感神経を刺激することで副交感神経を支配するリンパ球を減少させます。

風邪というのは、カラダが「ここで少し休養しよう」というサインであり、熱を出してウィルスを退治することでバランスを戻すように働きます。

ウィルスとの戦いで、しだいに減少したリンパ球をもとの状態<恒常性維持機構:ホメオスタシス>が戻っていき、やがて自律神経バランスも整っていきます。

しかし、このときに安易に熱を下げるような薬を飲むとどうでしょう。

 

薬で熱を下げてはいけない理由とは

風邪をひくと数日間は発熱、だるさや疲れなど辛い状態が続きます。

リンパ球を増やすためには、<カラダを温めること>が第一です。

できるだけ、熱が逃げないよう布団をかぶり、汗をたくさんかいて、カラダが冷えないように着替えをこまめに行います。

体温を上げることは、免疫力を高めるために大切なことです。

風邪をひくと発熱するのは、体温を維持してリンパ球やマクロファージ(細胞がカラダに不要な細菌を食べる:自食作用)を良く働かせようという反応。つまり、リンパ球やマクロファージが一番よく働く環境をつくるために、わざわざ熱をだしているのです。

これが免疫力を上げる最高の条件です。

 

もし、薬で熱を下げてしまったら。

風邪薬に含まれる解熱剤を飲んで熱を下げてしまったら、逆になかなか治りにくくなってしまいます。

風邪薬に入っている消炎鎮痛剤は炎症を起こすプロスタグランディンの産生を阻害することで、一時的に、「熱を下げたり」「腫れが引いたり」「痛みをおさえたり」症状がラクになります。

しかし、同時に炎症の原因となる粘膜を修復するための反応も止めてしまうので、治癒に至るプロセスを阻害することにつながるのです。

つまり、薬を飲むほうがかえって風邪の完治を遅らせることになります。

実際に、薬を飲まない場合で平均2.5日で治りますが、薬を飲んだ場合は完治に5〜7日まで伸びるといわれています。

また、リンパ球やマクロファージも活発化する機会をのがし、治った後も<風邪をひきやすい><病気しがちな体質>になってしまいます。

 

風邪のあとは、免疫力アップ!

驚くことに、風邪を完治したあとは、風邪をひく前より<リンパ球が増え免疫力がアップ>することがわかっています。

とくに、子供の場合は、いろいろなウィルスにかかりながら、そのつど免疫力を高めていくことで強く育っていきます。

一年に1〜2回ほど風邪をひいて、風邪をひくたびに自然に治っていくことを繰り返しながら、本来わたしたちの持つ<自己治癒力>を高めるよう意識することで、カラダにも心にも自信がついてくることを実感できるでしょう。